疾病対策センターのデータによると、新型コロナウイルスのパンデミックに対する米国政府の対応は依然として行き詰まっている。
今週Yahooニュースが入手・公開した6月9日付のCDC(疾病対策センター)の流出文書によると、米国では依然として新規感染者数が急増しており、感染者数が最も多い他の9カ国(ブラジル、ロシア、英国、インド、スペイン、イタリア、ペルー、ドイツ、イラン)と比べて封じ込め対策がはるかに遅れている。CDCの文書によると、米国の1日当たりの確認感染者数は推定36.5%増加しており、これは他のどの国よりもはるかに高い。(最も近いのはペルーで、1日当たりの確認感染者数は4.46%増加した。)
Yahoo!ニュースによると、同じく6月9日付の連邦緊急事態管理庁(FEMA)の別の文書でも、この36.5%という統計が裏付けられている。FEMAの文書では、米国の1日あたりの死亡者数の移動平均が1,000人を超え始めていることも示されている。

ジョンズ・ホプキンス大学医学部の追跡調査によると、世界で確認された740万人の感染者のうち、わずか200万人強が米国で確認されており、死者数は約46万人のうち11万3000人以上が米国で発生している(これらの数字は実際よりも少ない可能性が高い)。しかし、米国は、ほとんどの州がコロナウイルス封じ込めに関する連邦政府のガイドラインを満たしておらず、多くの他国が規制緩和を進めているのに匹敵する進展が見られていないにもかかわらず、全50州で緊急ロックダウン措置により当初閉鎖されていた企業やその他の機関の再開を急いでいる。
ミネアポリス在住のジョージ・フロイド氏の警察による殺害、そしてここ数週間蔓延する警察の暴力と人種差別に対する全国的な抗議活動が続く中、将来的な感染者数の増加を懸念する声も上がっている。抗議活動で新型コロナウイルスがどれほど容易に感染拡大するかは依然として不明だが、専門家は屋外での活動は屋内での活動よりもリスクがはるかに低いと考えている。抗議活動における対面での交流の数は、人前で仕事をしている人々や、日常生活で他者と接触する可能性のある人々の数に比べれば、はるかに少ないだろう。
とはいえ、カイザーファミリー財団の報告書によると、最初に経済活動を再開した州では、抗議活動が始まるずっと前から感染者数の増加が見られていた。テキサス州とノースカロライナ州は、新型コロナウイルス感染症による入院者数の記録を更新している。アリゾナ州は、肺が重篤な損傷を受けた患者の治療に不可欠なECMO(人工肺)装置の供給能力が限界に達していると警告している。
ワシントン・ポスト紙によると、テキサス州、アーカンソー州、サウスカロライナ州、ネバダ州、アリゾナ州、ノースカロライナ州、オレゴン州、フロリダ州、ユタ州の7州で、水曜日時点で7日間の移動平均感染者数がピークに達した。一方、AP通信は木曜日、ほぼ半数の州で感染者数が増加していると報じた。これらの数字は検査数の増加や地域的な感染拡大を反映している可能性もあるが、多くの場合、規制緩和と明らかに相関しているようだとAP通信は報じている。
トランプ政権のパンデミック対応は、メディアが状況を誇張しているという常軌を逸した主張から、対応策の大半を州知事に押し付けるまで、大きく方向転換した。その結果、多くの州知事は、ホワイトハウスが設定した、既に緩く拘束力のない基準を州が満たす前に、経済活動の再開を開始した。州が接触者追跡などの効果的な公衆衛生戦略を展開する準備ができているかどうかは明らかではない。
ドナルド・トランプ大統領は先週、新型コロナウイルスに関して記者団に対し、「我々はあらゆる決定を正しく下してきた」と述べ、「この国には残り火や灰、あるいはこれから炎が燃え上がるかもしれないが、いずれ消火する」と付け加えた。また、フロリダ州、テキサス州、アリゾナ州、ノースカロライナ州など、新規感染者が急増している州で新たな選挙集会を開くことも発表した。ハーバード大学グローバルヘルス研究所所長のアシシュ・ジャー博士は先日、トゥデイ誌に対し、9月には死者数が20万人を超えると予想していると語った。